2012年10月「ニューヨーク七宝作家6人展」
10月12日(金)からは、ニューヨーク在住七宝作家6人による作品展です。
日本では珍しいグリザイユやプリカジュール技法を使った作品も多数出品されます。七宝焼の幅広い魅力をお楽しみください。

会期は10月12日(金)〜21日(日)まで〈16日(火)は定休日〉
AM11:00〜PM7:00 (日曜日はPM5:00までです)

  
< 作者紹介 >

◇Katharine Wood キャサリン ウッド
ニューヨーク出身。母親に継ぐ二代目七宝作家。ボストン大学でフランス文学を学んだ後、本格的な七宝製作に入る。 1988年からニューヨーク、ニュージャージーで七宝焼のインストラクターとして活動。現在はニューワーク美術館(ニュージャージー)、92nd St. Y(ニューヨーク)でクラスを持つ。転写紙(PNP ペーパー)を用いたエッチング法を彫金、七宝焼に応用し、国内外に広く普及させたことでも知られる。ロンドン、モスクワ、デリーなどの海外展示を含め、数多くのミュージアム、ギャラリーに出品。単行本「The Art of Fine Enameling」、「Enameling with Professionals」で紹介されている他、彫金、七宝専門誌にテクニカルな記事を寄稿。ジュエリーからインテリア用タイルまで、幅広い分野の七宝を手がける。今回出展する他の5人は、全員彼女から七宝を学んでいる。Antonia Tile を運営。

[シャンルヴェ/エッチング]
 
◇Elizabeth White-Pultz エリザベス ホワイト ポルツ
コネチカット出身。七宝歴15年以上。ハンターカレッジ (ニューヨーク)で絵画を学ぶ。 主にモノクロームで描くグリザイユ技法を用いた作品を製作。具象、抽象を問わず、グリザイユ技法の新たな可能性を追求している。例えば、最近では小さなガラスビーズを用いてテクスチャーを加えるなど、トラディショナルなグリザイユという技法を用いながらも、作風は新鮮。書家としても活動しているため、大変時間のかかる彼女の作品は数が多くないものの、その出来映えは完成度の高いアートとして評価され、現在活躍中のアーティストの作品を集めた「500 Pendants&Lockets」にも掲載されている。自然や神話など、幅広い分野から製作のインスピレーションを得ている。

[グリザイユ]
  
◇Amanda Megibow アマンダ メギボウ
ニューヨーク出身。ペンシルベニア大学でビジネスを学んだ後、ジュエリー製作に転向。グラニュレーション(粒金技法)などのクラシックな彫金技術を学んだ。ヴォーグ他のファッション誌でも取り上げられている作品は、フェミニンで洗練されたスタイルが特徴。手彫りによるワックスモデル作りが得意の彼女は、まず土台となる金属の原型を非常に細かい手作業で彫り、鋳造の後七宝で彩色する。デザイン上は身につける人の使い勝手を最優先し、幅広い場面で末永く身につけられる作品作りを目指す。18Kゴールドやダイヤモンドを多く用いる彼女の作品は、ハイエンドのジュエリーを求めるニューヨークのクライアントに好評。根っからのニューヨーカーである彼女にとって、美術館から公園まで、ニューヨークの街全体がインスピレーションの源となっている。

[プリカジュール]
  
◇Tanya Migdal タニア ミグダル
ロシア出身。免疫学博士(Institute of Immunology)。博士号取得後プリンストン大学で研究員。当時、その後20年来の友人となるキャサリン ウッドと出会い、免疫学を止めて七宝製作を始める。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ (ニューヨーク)、スタジオ・ジュエラーズ, LTD (ニューヨーク)で彫金等を学ぶ。また、高度な技術と手間を要するロシアンスタイルのプリカジュール技法をValeri Timofeevから習得し、同技法を使った作品も製作。ニューヨーク、ロシア、スイス等で出展している他、ニューヨークタイムズ紙などのメディアでも紹介される。ニューヨークの個人収集家をはじめ、クライアントにはモスクワ総主教も含まれる。自然をこよなく愛する彼女の作品には、動植物をモチーフとしたものが多い。

[シャンルヴェ]
  
◇Raanan Einav ラナン アイナフ
イスラエル出身。テルアビブ大学(イスラエル)で数学、オペレーションズ・リサーチを学ぶ。システムアナリストなどを経て、1990年代にニューヨークに移住。渡米後、ITコンサルタントとして働いた後、2001年にジュエリー製作に転向。ファッション・インスティチュート・ オブ ・テクノロジー (ニューヨーク)でジュエリーデザインを学ぶ。3D−CADソフトを用いたデザインから、全て手作業の銅板の立体成形まで幅広い技術を有し、仲間内ではテクニカルアドバイザー的な存在。シグネチャーピースで人気の「花のイヤリング」は、全て手作りで非常に繊細、細部にこだわる彼の製作姿勢が良く現れている。美しく、丈夫で末永く愛される作品づくりが信条。
  
◇Mamie Ito 伊東真美江
福岡県出身。ニューヨーク大学心理学部博士課程中退。1985年からニューヨーク在住。コピーライター、雑誌編集、新聞社勤務などを経て、2008年頃から本格的にジュエリー製作を始める。七宝焼ではプリカジュール技法に専念し、一旦焼成し終わった作品に穴を開けて再焼成するなど、独自の手法でユニークな作品を展開している。パスタなど、あらゆる素材をデザインに取り入れながら、常にオリジナリティのある作品作りを目指している。 Original Handcraft in New York を運営し、今後は、個人で活動しているニューヨーク在住の作家を日本に紹介することにも力を注いでいく。

   ウェブサイト:originalhandcraft.com

[プリカジュール]
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